ここでは、皆さんにプリザーブドフラワーを作るときに役に立つ情報を載せていきたいと思います。
花は茎から水を吸いますね。ということは水の通り道があるわけです(導管という)。これは裸眼では見えないくらい細いので空気自体が栓となって入口をふさいでしますのです。 したがって、いくら切れるハサミで切っても空中で切ってから水に入れると空気の栓が邪魔をして水が揚がりにくくなります。そのため水の中で切り切り口に空気が触れないように するのです。ということは、水切りしてから桶や花瓶に移すまでに切り口が乾かないよう早めに移すことも重要になってくることがわかりますね。
細胞について : 細胞の話が出たついでにもう少し説明したいと思います。
細胞は、分子が化学物質での最小の粒子である様に、植物(生物)の最小単位です。
細胞を包んでいる細胞膜の厚さは植物のかたさと関係あり、年数が経った草花の茎や樹木がかたいのは細胞膜や細胞壁が厚いためです。また、細胞膜は
植物が死んでも残ります。葉の細胞膜は薄く柔らかく周りを細胞壁で囲まれていてます。細胞壁は水が切れても縮まないので花や葉では水切れの
時、原形質分離という細胞膜と細胞壁が分離してしまう現象がおこることがあります。原形質分離しても再び水を与えれば元に戻ります。
プリザーブドフラワーを作るときA液で脱水した時、A液は細胞膜を通って細胞内に入り込み色素体や葉緑素などを壊すので脱色され浸透圧も
水より高くなり花が硬くなると思われます。また、アルコールはタンパク質に反応して一部のタンパク質も固まると思われます。
蒸散についてもう少し説明しておきます。蒸散はどのように起こっているかというと、細胞の表面から水分が蒸発し水蒸気となり、これが
葉の主に裏面にある気孔という穴から外に出て行くのです。気孔というのは細胞壁の厚みが内側と外側で違う細胞(孔辺細胞)が集って厚い方の
面で囲まれた部分が気孔になっています。そうすると、細胞が水分を吸い膨らむと細胞壁の厚い気孔側は外側に比べ伸びることが出来ないので湾曲し、
孔辺細胞が集まっているところ(つまり気孔のところ)に穴が空くのです。当然、細胞内の圧力が減ると気孔は閉じます。ほとんどの植物で、
気孔のほとんどが葉の裏側にあり、表面は逆に水の蒸発を抑えるようになっている。気孔の数はすごく多く、1平方cm当たり10万個もあります。葉っぱ一枚で数100万個
もあるのです。驚きですね。
葉の色に近い染料の試作品が出来たので試してみました。03/11/22
花は何で水が必要か : 育つために必要なんだよと言えばそれまでなんですが、人間なら体中水分だし、栄養などを送っている血液がほとんど水分で
汚れれば尿で排出もされるし、暑ければ体温を下げようと汗で出るし、なんとなく水の使われ方は解ると思いますが、花は水を根から(切花なら茎の切り口から)吸い上げてからどのよう
に使われるのでしょうか?
大きく分ければ、養分を作るためと、暑いときに温度を下げるためで人間と似ていますね。(^。^) 違いは人間の主食がご飯とすると植物では2酸化炭素と水で、水そのものがエネルギー源
として使われるということでしょうか。そして、おかずは地中のチッソ、リン、カリですかね。
ではその植物にとっての主食の水はどのようにして栄養にかわるのでしょうか?葉緑素って知ってますよね。葉っぱの中にあって緑色で太陽の光から光合成でデンプンを作るような話を
小学校か中学校のとき習ったと思います。そうなんです、植物の栄養は光合成で作られ、この時、空気中の2酸化炭素と水の成分の水素が使われ、残った酸素は排出されるのです。(葉緑素は
人間では臓器ですかね。)そのため植物が生きていくには水は絶対必要なのです。ちなみに葉で作られた栄養(糖)は主に夜間、茎の方に戻って実や根や茎そのものだったり、
体の一部に蓄えられます。(リンゴの実だとかジャガイモなどの部分)。
今後も役立つ情報があれば載せて行きますのでお楽しみに。
とこよだ花店 常世田和夫
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